2013-06-17

北欧の風を求めて、Club 8『the friend I once had』(1998年)

スウェディッシュ・ポップの代表格といえば、カーディガンズとか同時期に活動していたクラウド・ベリー・ジャムを未だに思い浮かべてしまうけれど、彼らのあとに知ったのが、このclub 8という男女のデュオだった。ストックホルムを拠点として活動を続けるヴォーカルのカロリーナとギターのヨハン(作曲とほとんどの楽器を演奏している)は互いに別のバンドにも所属していて、にもかかわらず、結成以来もう15年以上もコンスタントにアルバムを発表しているベテランだ。

この『the friend I once had』は彼らが98年に発表した2ndアルバムで、本国スウェーデンとアメリカ、日本でもリリースされて評判もよろしく、インディ・ポップ、ギター・ポップファンのあいだでは名盤と呼ぶにふさわしいアルバムなのだろう。いつものことながら私は後追いで、アーティストについてもあまりよく知らず恐縮なのだけれど、夏が近づくと無性に聴きたくなるお気に入りの一枚。一度は廃盤になっていて、いま手元にあるのは2005年に再発された18曲入りのリイシュー盤。なんてことはない手作り感たっぷりのClub8のロゴの小さなシールが同封されている。



以前は、北欧らしい清涼感あふれる爽やかで真っ直ぐで、切ないギター・ポップの王道!といったサウンドに魅力を感じていたし、彼らの音楽は実際にそのように紹介されることが多いけれど、久しぶりに聴くと印象が少し変わっていた。薄荷飴のようなカロリーナの心地良いヴォーカルはあまり癖がなく聴きやすいのでいつも戸惑うことなくすうっと入って来るけれど、どこか憂愁の色を帯び寂寥感が漂っていることに気付いたのだ。かつて青春ギター・ポップなどと言われたサウンドに耳を傾けて、北欧の短い夏と過ぎた日々を想う。そうして、私も歳をとったのかなぁとそんなことを嘆いてみたり。




ザ・フレンド・アイ・ワンス・ハド+6
クラブ8
Pla-Flavour (2000-11-29)

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