2013-06-09

追悼 レイ・マンザレク


今日はロックの日。普段はこういった語呂合わせのイベント事などはあまり意識したことがないのだけれど、ちょうどドアーズの記事を書こうとしていたものだから、このタイミングはなんだか不思議な気持ち。



去る5月20日にドアーズのオルガニスト、レイ・マンザレク(Raymond Daniel Manzarek - 1939年〜2013年)が胆管癌で亡くなった。ドアーズのキーボードと紹介されている記事をウェブでいくつか目にしたけれど、ドアーズのサウンドを決定付けていたのは紛れもなく彼の電子オルガンだったから、キーボードという書き方はあまりしっくりこないなあとぶつぶつ呟きながら、美しく狂気じみたその音色を思い出していました。

レイの訃報は21日の夜、たまたまつけたテレビのスターチャンネルかWOWOWの番組で流れたテロップで知った。ドアーズというバンド名を見たとき、一瞬ジムの顔が過って、だいぶ昔にもう死んでるけどなァ?と寝惚けたことを思い、やがてインテリジェンスな物腰のレイを想い浮かべて悲しいというよりは驚いた。

というのも前日の夜、なんとなく棚の奥からドアーズの紙ジャケを引っ張り出してきて、何をすることもなく眺めたばかりだったから。CDは聴かなかったけれど、ドアーズの楽曲のなかで私がもっとも好きな「Touch Me」が収録されている『Soft Parade』のジャケットが見えるよう棚の一番手前に置いたのだ。びっくりするような偶然だけれど、ドアーズだけにこんなストレンジな出来事も、なんでも起こりうるような気がして少し笑ってしまった。

それでもやはりレイの死は悲しい。一番好きなバンドは?と聞かれたら相当悩むけれど、私はドアーズを挙げるような気がしています。今はもう以前のように彼らを、特にジム・モリソンを神格化も崇拝もしていないけれど(ドアーズのファンには程度の違いはあれそういう時期が存在すると思う)、ドアーズの音楽を聴くと単純にもの凄く元気になれる。ジムの呪文のようなバリトンも、時にヒステリックなレイのオルガン、淀むように壮絶な「The End」でさえも、なぜだか不思議とパワーが漲ってくる。私にとってドアーズはずっとそんなバンドなのです。



60年代を体現したロックスター、ドアーズの象徴はジム・モリソンだ。けれど、サウンドの要は間違いなくレイだった。不安定なジムに振り回されながらも忍耐強く付き合い、ステージ上でジムをコントロールしていたのはレイだった。もしかしたらドアーズはレイのバンドだったと言い切ることだってできるかもしれない。ドアーズにはベースがいないから、レイがあとから低音を録音していたと聞いた。そして、「Light My Fire」の印象的な序奏!この曲で彼らを初めて知ったとき、ジムのヴォーカルは怖いような気がしたけれど、レイのオルガンの調べで私はドアーズが好きになったのだ!





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