NIZA(ニーサ)は1998年に結成された、スペインはマドリッド出身のRobertとSilviaによるインディーポップ・デュオ。スペインといわれるとどうしても情熱的なラテン風の音をまず連想してしまうのですが、この人たちはネオアコ。基本は透明感のある軽いギターポップだけれど、打ち込みやダンス・チューンもあって、上品なサウンドの中にもおもちゃ箱をひっくり返したようなキラメキが詰め込まれています。そんな可愛らしい音を支えるのはSilviaのヴォーカル。爽やかな優しいメロディーに彼女の舌足らずなウィスパー・ヴォイスがのっかると、なんだか60年代にタイムスリップしたみたいな、懐古的な気分になれるのです。ダンス・ミュージックからソフト・ロック、フレンチ・ポップ、ボサノヴァの要素まで感じられるのがミソかな。そして意外なのですが、ヴェルヴェッツのカヴァーもやってたりします。
彼らのアルバムは2003年に日本盤『NIZA』が発売されていて、どうやら来日したこともあるみたいです。私がこのアルバムに出会ったのは数年前。近くのツタヤをぶらぶらしていたところワールドミュージックの棚にこのCDを見つけて、なんとなく試聴してみたらガーリーな声がカヒミっぽくて(カヒミよりだいぶ甘いけれど)レトロチックな可愛らしいサウンドもトミーフェブラリーみたいで大好きな音だった。聴いた瞬間に恋に落ちる音楽ってそう多くはないけれど、根っこのところは結局同じなんだなあといつも感じます。やっぱり私はウィスパー・ヴォイスが好きです。
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